家の中にいる害虫といえば、まず頭に浮かぶのはゴキブリですね。
ゴキブリのあの黒光りした体を見ているだけで不快になるという方も多いと思いますが、この憎っくきゴキブリを退治するために、今までいろいろな方法が考案され、商品化されてきました。
中でも、「ゴキブリホイホイ」のアイディアは、画期的なものでした。
が実は、既に江戸時代にこの原形があったのです。
ゴキブリホイホイの原形は、江戸時代の医師・寺島良安が考案
ゴキブリは、江戸時代の頃は、「御器噛り(ごきかぶり)」と呼ばれていました。
この名は、食器(御器)をかじるということから名づけられたようです。
当時は、食器は木製のものがほとんどでしたが、食べ物のかすなどがついている食器をゴキブリがかじってしまうので、大変困っていました。
そこで、寺島良安(てらしまりょうあん)という医者は、「唐傘(からかさ)は油紙でできている。ゴキブリは油が好きだから、古い唐傘を細工して、ゴキブリが入ってきたら逃げられないようにすればよい」ということを考えついたといいます。
これは、江戸時代の書物『和漢三才図絵(わかんさんさいずえ)』の中に書かれている、当時としては最も進んだゴキブリ退治法です。
まさしく、「元祖、ゴキブリホイホイ」といった感じですね。
なお、『和漢三才図会』というのは、1712年(正徳2年)に刊行された全300巻からなる絵入り百科事典です。
寺島良安が著したもので、日本における大百科事典の発端といわれています。
出典:http://www.library-noda.jp/homepage/digilib/wako/400.html