「ウー、ウー、ウー、カンカンカン!」
消防車が現場に急行する場合、たとえ真夜中でも、あのよく響くサイレンの音が消されることはありません。
これは一体、何故なのでしょうか?
消防車が出動時にサイレンを鳴らすことは法律で定められている
真夜中に鳴り響く、大音量の消防車のサイレンの音。
「うるさい!」
と、この音に対する消防局への苦情の電話は後を絶たないようです。
特にお年寄りは、概して睡眠が浅いため、あの音で目が覚めてしまう方も多いようです。
しかしながら、今後どんなに消防局に苦情の電話が鳴り渡ろうとも、この音が鳴り止むことはないでしょう。
何故なら、消防車や救急車が出動するときにサイレンを鳴らすことは、法律で定められているからです。
このことは、道路交通施行令(どうろこうつうしこうれい)第13条(緊急自動車)と第14条(緊急自動車の要件)にきちんと明記(めいき)されており、深夜も例外ではないのです。
緊急車両のサイレンの音量は、一体どのくらい?
しかし、日中でさえ辺(あた)りに鳴り響く、あのサイレンの音量は、一体どのくらいなのでしょうか?
消防車や救急者のような緊急車両のサイレンの大きさは、「自動車の前方20メートルの位置において、90db(デシベル)以上120db以下であること」と定められています。
この音量は、高架下(こうかした)を列車が通過するときの音量に相当するといいます。
消防車のサイレン音の意味は?
前述したように、消防車のサイレンの音量は、道路交通施行令で決められています。
このサイレン音にいくつか種類があることは、皆さんお気づきのことと思います。
サイレン音には意味があり、以下のように決められています。
1,「ウー、ウー、ウー、カンカンカン」と、警鐘(けいてき)つきの場合は、火災で出動時
2.「ウー、ウー、ウー」と、サイレン音だけの場合は、火災以外の救助・救急支援・警戒(けいかい)などで出動時
3.「カンカン」と、鐘だけの場合は、火災で出動した消防車が、鎮火後(ちんかご)に戻ってくるとき
出典:https://smtgvs.weathernews.jp/s/topics/img/201812/201812260175_box_img1_A.jpg?1545883467
たとえば、大規模な交通事故など、救急車の救急隊員では足りないと予想されるときは、救急隊員が消防車に乗って出動します。
そして、このときのサイレン音が、鐘なしの「ウー、ウー、ウー」となります。
おわりに
「大変、火事だわ! ええと、火事は110番だったかしら? それとも119番?」「119番だニャン!」
今日は、消防車が真夜中でもサイレンを鳴らすのは何故かという話を書いてみましたが、いかがでしたか?
実は、音量レベル120dbというのは、人間の耳が許容(きょよう)できる限界に近い音量です。
このような大音量を常時聞いていると、難聴(なんちょう)になる危険性があります。
音量が90dbであれば、1日2時間30分聞いても問題ありませんが、100dbだと許容できる時間が15分、120dbとなると許容時間がわずか9秒となり、この限界を超えると、難聴になる危険が生じます。
真夜中に出動する消防者の騒音に関しては、「うるさい」の他、「こわい」というのもあります。
通常数十秒ほどで通過するサイレン音ではありますが、特に深夜のサイレン音は精神衛生上もよろしくないので、深夜も鳴らさなければならないのだとしたら、せめて90db以下に制限して欲しいものです。(@_@)ウーン