将棋の駒
写真は、こちらからお借りしました。
近頃は、親子で将棋を指す風景もめったに見られなくなりましたが、誰もが1度くらいは将棋の駒を手に、遊びに興じた経験があるのではないでしょうか?
たとえそれが、回り将棋や、はさみ将棋などであったとしても…。
しかし、あの将棋の駒(こま)は、何故五角形をしているのでしょうか?
将棋の駒は何故五角形?
もともと、将棋のルーツはアジア諸国から伝わったとされています。
中国は円形、朝鮮は八角形、ビルマやタイなどの東南アジアの国々は、チェスのような立体型の駒を使っていて、日本のような五角形の駒は見当たりません。
この五角形の駒の由来については定説がありませんが、どうやら平安時代にそのルーツが求められそうです。
当時、文書を記録するために使われていた木簡(もっかん)や、文書などを整理・検索するのに用いられていた題籤(だいせん)が、同じように先のとがった五角形の形をしており、しかも、用済みになった木簡や題籤は、削りなおして再使用されていたといいます。
それらは、文書を記録するぐらいなので、最初は大型ですが、再使用を重ねるたびに小さくなり、文書の記録には適さなくなります。それが将棋の駒になったと考えられるのです。
事実、平安時代後期の兵庫県日高遺跡の出土品から「歩兵」と書かれた五角形の木札が見つかるなど、証拠品(?)もあります。
もし、当時削って再使用するというリサイクルの思想がなかったならば、将棋の駒の形は別のものになっていたかも知れません。