プラスチック消しゴムは、消しカスがほとんど出ないため、机の上を汚すことがありません。
一度使ったら、もう従来の消しゴムには戻れない、特に試験中などに重宝する便利な文房具のひとつです。
さて、このプラスチック消しゴムですが、必ず紙ケースに入れられています。
紙は汚れや水に弱く、あまり丈夫な材質ではありません。
それならば、わざわざ紙ケースになど入れず、裸のままでも良いのではないかと思うのですが、実際にはそのようにはなっていません。
プラスチック消しゴムは、何故わざわざ紙ケースに入れられているのでしょうか?
プラスチック消しゴムが紙ケースに入っているのは何故?
実はこの紙ケース、消しゴムばかりでなく、筆箱をも保護する重要な役目をもっています。
そもそも消しゴムは、原料の合成樹脂(ごうせいじゅし)に、これをやわらかくする可塑剤(かそざい)を加えて作られたものです。
ところが、この可塑剤というのは、プラスチックをやわらかくする、いわば溶剤(ようざい)なのです。
皆さんは、同じプラスチック製の筆箱の中に、ケースから取り出して裸にした状態の消しゴムを長時間入れておくと、どうなるかご存知ですか?
答えは、なんと、この可塑剤が揮発(きはつ)して、筆箱を溶かしてしまうのです!
このようなトラブルをできるだけ避けるために、プラスチック消しゴムは、紙のケースに入れられているのです。