錆びにくいといわれるステンレス。
実は、このステンレスはすでに錆(さ)びているということをご存じですか?
また、ステンレスには磁石がくっつかないといわれますが、これは本当なのでしょうか?
ステンレスは、実はすでに錆びている
ステンレスは、正しくはステンレス・スチール(stainless steel)といい、直訳すれば「錆びない鋼鉄」となります。
その成分は、鉄とクロムとニッケルが74:18:8の割合で配合されています。
さて、この合金を作ると、すぐに表面が錆びて、酸化物の薄い膜で覆われます。
内部の鉄が酸化する働きを、クロムが止めます。
こうして、酸化物の薄い膜が内部の鉄を保護するので、ステンレスは錆びないのです。
つまるところ、ステンレスは錆びない金属といわれますが、実は錆びているから錆びないという禅問答のような理由で錆びないのです。
ステンレスには磁石がくっつかない?
ステンレスには、クロムやニッケルなどの含有量(がんゆうりょう)の違いにより、実は3種類存在します。
オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系です。
種類 | 主な材料 | 説明 | 特徴 |
オーステナイト系 | SUS304 SUS303 SUS316 |
・クロム・ニッケル系ステンレス鋼 ・全体の60%以上がこの種類 ・磁性を持たない |
高耐食性 |
フェライト系 | SUS430 | ・クロム系ステンレス鋼 ・磁性を持つ |
低コスト |
マルテンサイト系 | SUS410 SUS440C |
・クロム系ステンレス鋼 ・炭素含有量が多い ・磁性を持つ |
高強度・高硬度 |
このうち、磁石がつかないのはオーステナイト系だけです。
あとは、すべてくっつきます!
なので、「ステンレスには磁石がくっつかない」というのは誤りです。
参考にしたサイト
ステンレスは錆びているから錆びない – 俊平の雑学研究所
http://blogs.yahoo.co.jp/hoshiyandajp/25654133.html