”奈良の顔”といえば、奈良公園に棲息(せいそく)する鹿でしょう。
この鹿は、ただの鹿ではありません。春日神社(かすがじんじゃ)の神の使いとされ、古代から大切に扱われてきた鹿なのです。
さて、現在、その鹿の数は約1200頭。
これだけの鹿がいれば、公園はフンだらけになりそうです。
が、公園内に散らばるフンは、何故かそれほど多くはありません。
これは何故なのでしょうか?
奈良公園が鹿のフンだらけにならないのは何故?
清掃員をほとんど見かけないにも関わらず、フンが少ない理由は、実はコガネムシ(通称フン虫)のお蔭です。
日本には、約150種のフン虫がいますが、奈良公園ではそのうち約50種が確認されています。
このフン虫は、鹿がフンをすると、すぐにその中にもぐり込み、1日で分解してしまいます。
その際、フン虫は、ハエが産みつけた卵も食べてしまうので、ハエが発生することもありません。
フン虫は同時に、ハエの発生をも防いでいるのです。