私たちを感動させ、驚かせてくれるものの中に、母体と生命誕生の神秘があります。
殊(こと)に、母体のその繊細で複雑な構造は、ときに摩訶不思議(まかふしぎ)な現象を引き起こすことさえあります。
そのひとつが、「想像妊娠(そうぞうにんしん)」です。
一体、この膨らんだお腹の中には何が入っているのでしょうか?
想像妊娠のお腹に入っているものは、実はただの脂肪
想像妊娠は、別名を妄想妊娠(もうそうにんしん)、偽妊娠(ぎにんしん)ともいいます。
女性に強い妊娠願望があったり、逆に妊娠することを極度に恐れていたりすると、それは自律神経(じりつしんけい)に作用し始めます。
そして、妊娠していないにもかかわらず、卵子の製造がストップし、しまいには、月経も排卵(はいらん)もまったくなくなります。
さらには、お腹までもが膨らんできてしまいます。
しかしながら、このお腹の膨らみの正体は、実はただの脂肪です。
月経が止まってしまうと、ホルモンの分泌(ぶんぴつ)に異常をきたします。
その結果、脂肪の代謝(たいしゃ)が悪くなり、お腹に脂肪がつきます。
この状態が、想像妊娠なのだといいます。
また、妊娠したと強く思い込んでしまったために、食欲が増進(ぞうしん)し、脂肪がついてしまうこともあります。
さらに、その影響は自律神経(じりつしんけい)にまで及ぶため、腸の働きが狂い、便秘になったりガスが溜まったりしてお腹が張ることもあるようです。
しかし、子供欲しさの結果が、実は脂肪だったなんて、おかしいけれども可哀そうな話だとは思いませんか?