海のギャングといわれるシャチ。
シャチは、海洋生物の中では最強とも言われ、映画の「ジョーズ」でお馴染みの怖いホオジロザメでさえ、シャチには敵わないそうです。
しかしながらこのシャチ、意外なことに、愛らしい一面ももっています。
なんと、音楽を聴く肥えた耳をもっているようなのです。
シャチは、音楽マニアも唸(うな)らせる「肥えた耳」をもっていた
シャチは、イルカの仲間なので、感度が良い耳をもっていることは以前から分かっていましたが、シャチを長年見続けてきたカナダのある研究者の実験によれば、音楽に非常によいノリを見せるそうです。
まず、シャチにベートーベンのバイオリン協奏曲を聴かせたところ、それまで静かに泳いでいたシャチが、跳(は)ねたり、仰向けに泳いだり、口をパクパクさせたり、また尾ヒレを振ったり、曲のリズムに合わせて盛んに体を動かしたりしたそうです。
これは面白いということで、その研究者はシャチにいろいろな音楽を聴かせました。
すると、どんな曲にも、シャチはよく反応したのです。
ただ、同じ曲を続けてかけると、シャチはその曲に反応しなくなりました。
つまり、シャチは、一度聴いた曲は覚えているのです。
海の中では、さまざまな音が聞こえます。
そのため、同じ曲の繰り返しでは単調すぎて反応しなくなるのではないかと、その研究者は考えています。