テレビや映画などで、女優の顔を見るたびに、ついついため息が出てしまうという女性は多いようです。
何しろ、画面に映し出される彼女たちの顔には、シミひとつ、それどころかホクロやシワ、毛穴さえもなかったりするからです。
若いタレントならいざ知らず、かなりの年齢であるはずの女優でさえそうです。
もちろん、どんなに美しい女優にも、小ジワやシミのひとつやふたつはあります。
素肌美人で知られる若い女優でさえ、人間である以上、体調が優れない日もあり、そんな日には肌が荒れ、ふきでものが出たりするものです。
年配の女性であれば、なおさらです。
なので、それを隠すのが、現場のプロフェッショナルたちの腕のみせどころとなります。
ということで、今日はプロが女優のシワ隠しに使うテクニックを、こっそりご紹介します。
ひとつは、メイクによる方法です。
目じりにできた小ジワのひとつひとつに、小筆を使って根気よくファンデーションを塗りこみ、その上に粉おしろいをたたいて、ツルツルの肌に見せます。
肌に透明感を与えるために、水おしろい(=化粧水とファンデーションを兼ねたもの)を好んで使う女優もいます。
また、照明を使ってシワを飛ばす方法もあります。
明るい光線が顔に当たれば、肌が白く、そして美しく輝き、シワもほどんど目立たなくなります。
一般に女優は、ビッグになればなるほど、顔に当てられるライトの数が多くなるといいます。
大物ベテラン女優ともなると、スタッフの気遣(きづか)いは生半可(なまはんか)ではありません。
カメラの前に紗(しゃ、=薄い絹の布)の幕を張り、やわらかな感じを演出するという念の入れようです。
このように、女優の美しさというのは、「特殊メイク」と「特撮」の力により、半永久的に保たれているのです。