女性の嫉妬は恐ろしいといわれますが、ナポレオンの皇后(こうごう)ジョセフィーヌには、以下のような話があります。
ある日のこと、ジョセフィーヌは、ナポレオンの愛人が、近く催されるパーティーのために、ダークグリーンのドレスをつくらせているという情報を得ました。
そこで彼女は、すぐさまこっそりと、そのパーティーの会場となる部屋の壁から調度品、カーテンにいたるまで、すべてのものをブルーに変えさせました。
そして、当日のこと。
ダークグリーンのドレスに身をつつんだ愛人は、ブルー一色の会場で、誰の目にもひどく趣味が悪く、見栄えのしない野暮ったい女に見えました。
これを見て、皇后はしてやったりとほくそ笑(え)んだのです。
これは、色の性質を巧みに使った、極めて効果的な演出でした。
鍵は、ブルーとダークグリーンという、この2つの色の組み合わせにあります。
ブルーとダ-クグリーンは、近い色同士のために、並んだときに、お互いの色がボケてしまうのです。
ジョセフィーヌ自身は、おそらくブルーの補色にあたる赤系統のドレスを身につけて現われ、彼女の姿はいっそう映えて見えたことでしょう。
ここまでやるとは、女性の嫉妬は本当に恐ろしいものですね。