交霊術(こうれいじゅつ)――これは、絶対にありえないとはいい切れないかも知れません。
しかしながら、巷(ちまた)で行なわれているもののほとんどは、ニセモノだといわれています。
洋の東西を問わず、交霊術は昔から行なわれてきました。
が、ほとんどはインチキだといわれます。
「交霊術」の子供だましな仕掛けとは?
たとえば、欧米で昔よく使われた手法に、以下のようなものがあります。
まず、霊媒師(れいばいし)を囲んで全員が手をつなぎ、部屋の明かりを消します。
すると、誰も手を使えないはずなのに、部屋の中のものが「ビューン!」と飛んだり、「コトリ!」と動いたりする現象が起こります。
この現象は科学では説明がつかない、呼び出した霊のしわざだ、というわけです。
が、これにはタネがあり、知ってしまえば、不思議でもなんでもありません。
霊媒師は、自分の両隣りに座っている2人の手を少しずつ引き寄せて、最後にはふたりの手を重ね合わせてしまいます。
すると、両手が空くので、あとは自分の手を使って、好きなように物を投げたり、動かしたりするだけです。
タネを知れば何のことはない、こんな簡単なトリックなのに、長い間多くの人たちが騙(だま)されてしまっていたのです。
また、足の爪先(つまさき)に作り物の「霊の手」をくっつけておき、テーブルの下から出して人々をビックリさせるという霊媒師もいました。
ほとんど子供だましなやり方でも、ある種神秘的な雰囲気の中では、人は簡単にだまされてしまうようです。
日本の交霊術においては、霊媒師があらかじめ、故人のまわりの話を聞いておき、霊が降りたといって、その話を小出しにすることが多いです。
依頼者は、事前に話したことを忘れて、
「ああ、本当にあの人だ!」
と感動するというわけです。
これも、一種の神秘状態に置かれ、雰囲気にのまれてしまっているために、だまされてしまうのでしょう。
ともあれ、今のところ、交霊術は「信じる者は救われる」の世界といえそうです。