学校の卒業式から、果てはデパートの閉店時まで、さまざまな場面で流される名曲「蛍の光」。
哀愁を帯びたこのメロディーは、別れの場面に流すのにピッタリです。
さて、この「蛍の光」の原曲は、スコットランド民謡の「久しき昔」だといいます。
しかしながら、その歌詞を見てみると、離ればなれになった友人同士が再会し、酒を酌(く)みかわすといった内容になっています。
メロディーは同じですが、人々は輪になったり、肩を組んだりして踊るというもので、実は別れの曲どころか、明るく楽しい”再会ソング”だったのです。
それでは、このような明るい曲が、別れの曲となってしまったのは何故なのでしょうか?
それは、「蛍の光」の歌詞には、蛍の光や窓の雪を灯りにして本を読んだという中国の故事が織り込められており、学びの場から卒業する際には必ずといってよいほど、この曲が歌われるようになったためです。
人々の心に、この曲は別れの曲であると、すり込まれていったのです。