カイコの糸は、将来性豊かなスーパー素材だった?

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カイコ 絹糸

「美しく光る絹」というと、おとぎ話のように聞こえるかも知れません。
が、これは既に現実のものとなってきています。
独立行政法人の農業生物資源研究所(生物研)が開発した、そんな幻想的な素材が「蛍光絹糸」です。

この蛍光絹糸は、2008年にノーベル化学賞を受賞した下村脩(しもむら おさむ)博士が発見した蛍光遺伝子を、カイコの糸を吐く遺伝子に埋め込むことで、カイコの糸に蛍光たんぱく質を含ませたものです。
この糸は、実用化して商品にするにはまだまだ多くの課題がありますが、既にカイコの1万1000個に及ぶ遺伝子配列の解読に成功しており、光る糸ばかりではなく、さまざまな産業への活用が期待されています。

そのひとつが、医療産業への応用です。
たとえば、抗菌機能や人間の細胞との親和性(しんわせい)の高い性質をもたせた絹糸をつくり、この糸を外科手術のときの縫合(ほうごう)に用いれば、手術後の安全性や傷の回復速度が向上します。

また、この糸をシート状にしたり、また人工血管に用いたりと、現在世界的に注目されている再生医療の分野からも期待を集めています。

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