日進月歩(にっしんげっぽ)で改良が進み、どんどん便利になっていく文房具ですが、2007年に発売されるやいなや、たちまち大ヒットとなったのが、「パイロット」の消せるボールペン「フリクションボール」です。
フリクションボール
写真は、こちらからお借りしました。
このボールペンは、その名の通り、書いた文字をペンの後ろについているラバーでこすると消せる不思議なボールペンで、ロイコ染料、顕色剤(けんしょくざい)、変色温度調整剤を、ひとつのマイクロカプセルに入れた顔料をインクとして使用しています。
ロイコ染料というのは、黒、赤などのボールペンの色を決める成分です。
が、これは単体では発色しません。
これを顕色剤と化学的に結びつけることで、発色させています。
そして、文字が消せる秘密は、書かれた文字をラバーでこすったときに生じる、摩擦熱です。
摩擦によって文字の温度が上がると、変色温度調整剤が働いて、色が消える仕組みになっているのです。
そして、”このインクは、65℃以上で消色(しょうしょく)し、マイナス20℃まで冷やせば復色(ふくしょく)させられるため、書いた文字を1度消してしまっても、コールドスプレーを吹きかけるか、あるいは冷蔵庫にしばらく入れて置けば、復活させることもできます”。