飛行機事故の際、その原因を究明(きゅうめい)するために欠かせないのがブラックボックスです。
ブラックボックスというのは、高度や速度などの飛行データを記録するフライトレコーダーと、コックピット内の音声を記録するボイスレコーダーを合わせた通称です。
が、飛行機が墜落した際に、壊れないのは何故なのでしょうか?
ブラックスボックスが、墜落した際に壊れないのは何故?
機体の中にあるボイスレコーダーとフライトレコーダーは、ステンレス鋼板(こうはん)製の頑丈(がんじょう)なカプセルに入れられています。
このカプセルは、なんと、1100℃の高温に30分以上さらされてもびくともしないような耐熱性と、3400Gの衝撃を受けたり連続した約2.5トンの力を5分間加えられたりしても平気な耐衝撃性をもっています。
そして、水中に沈んだ際には、内蔵の水銀電池を動力源(どうりょくげん)にして、水深6000メートルの水圧に耐えながら、30日間自動的に超音波信号を発信し続けるようになっています。
くわえて、このブラックボックスは、事故が起きたときに最も衝撃を受けにくい「機体後部のトイレの上」や「天井裏」、「後方貨物室付近」などに設置されています。
つまり、ブラックボックスは、極めて頑丈(がんじょう)に作られているうえ、置く場所も吟味(ぎんみ)されているのです。
出典:https://images.says.com/uploads/story_source/source_image/263426/af01.jpg
ブラックボックスは「黒い箱」ではない?
ちなみに、「ブラックボックス」という名称は、いわば”封印されていて中身が見えない箱”といった比喩(ひゆ)表現であり、必ずしも「黒い箱」を意味しません。
実際のボイスレコーダーやフライトレコーダーは、事故後に回収しやすいように、赤色やオレンジ色に塗装されています。
“Black Box” Flight Recorder 1953
出典:https://josephsears.weebly.com/1950-1960.html