「不思議の国のアリス」といえば、その題名を聞いただけで、時計を持ったウサギや、ハンプティーダンプティー、トランプの兵隊といったユニークなキャラクターの顔が脳裏に浮かぶ、まさにファンタジーの宝庫です。
それでは、この童話の作者であるルイス・キャロル自身も、さぞかし夢と遊び心いっぱいの人だったと思いきや、実は、彼の本業は数学者で、しかも、ロリコンの典型のような人でした。
ルイス・キャロルの本業は数学者で、趣味は少女の撮影だった
ルイス・キャロルは、大学を卒業したのち、一時はイギリス国教会の牧師補になりました。
が、終身牧師になることにはためらいがあったようで、その後数年、母校であるオックスフォードのクライスト・チャーチで数学の講師を務(つと)め、記号論理学に関する論文を執筆(しっぴつ)したりしていました。
また彼は、「私は子供が好きだ、ただし男の子は別だ」という明快な思想をもっており、カメラを手に近所をぶらつき、気に入った少女たちの姿を撮影するのが何よりの楽しみでした。
また、少女を自宅に招待するのも大好きで、今ならば「アブないロリコンおじさん」と後ろ指をさされかねない行状(ぎょうじょう)だったようです。
そんな生活のなかで、彼はクライスト・チャーチの学長の娘、アリス・リデルと知り合いになります。
が、彼女は自分に関心をもってくれません。
そこで、彼女の気をひくためにつくった童話が、なんと、「不思議の国のアリス」だったのです。
アリス・リデル
写真は、こちらからお借りしました。
ですので、もともと彼には童話作家への野心があったわけではありません。
しかしながら、物語はいつしか作者の手を離れてひとり歩きを始め、ジョン・テニエル卿(きょう)の挿絵(さしえ)とともに、世界中で非常な人気を博すことになります。