店頭に並べられたエビフライは、どれもカラッときつね色に揚がっていて、身も大きく、いかにもおいしそうに見えるものです。
が、食べてびっくり。このエビフライ、ほとんどが見かけ倒しなのです。
外見とはうらはらに、着ぶくれした衣の中には、やせ細った貧弱なエビが潜(ひそ)んでいることがしばしば。
パクッ!と最初のひと口でエビの身にたどり着ければまだいい方で、ふた口目になっても、エビの身にかすりさえしないことがあります。
「さんざん期待させておいて、ヒドイ!」
と、クレームのひとつでもつけたくなりますが、あの衣の厚さときたら、素人には想像もつかないボリュームです。
一体、弁当屋では、どんなトリックを使って、衣を水増ししているのでしょうか?
エビフライの衣を厚くする秘技は必殺「パン粉と卵の2度づけ」
エビフライの頃もを厚くする方法は、ズバリ、必殺「パン粉と卵の2度づけ」です。
まず、通常の手順で、衣に卵、パン粉をつけます。
そのあと、さらに卵、パン粉と重ねづけをすることにより、着ぶくれのエビフライの出来上がりです。
また、この種の「手品」が使われるのは、エビフライだけではありません。
エビの天ぷらの衣を肥大(ひだい)させる技というものもあります。
衣をつけたエビの天ぷらを、熱した油の上に放したあと、さらにその上から衣だけをパッパッと振りかけていくのです。
この方法は、業界で「花揚げ」と呼ばれるテクニックで、このようにすると、ひと回りもふた回りも大きなエビの天ぷらが出来上がるのです。
しかしながら、作る側ではなく食べる側としては、エビフライにしても天ぷらにしても、外見からそれらの中身の大きさを判断する方法はありません。
ひと口食べてガッカリしないためには、値段の安い弁当は買わないようにするしかない……かも知れません。