腰掛けて楽しい椅子(いす)の代表といえば、やはり、ロッキングチェアでしょう。
あのケネディー大統領も、大のロッキングチェアファンで、ホワイト・ハウスの執務室(しつむしつ)に運び込み、暇さえあれば、その揺りかご効果を楽しんでいたそうです。
ロッキングチェアは、もともと老人用の健康器具として生まれた
さて、このロックキングチェアですが、実はこの椅子、もともとは老人用の運動器具として生まれたものだということをご存知ですか?
いわば、健康器具の元祖なのです。
ロッキングチェアには、軽量のものもありますが、本来重い材質の木でつくられていました。
これがミソで、この椅子に座って、十分な揺れを得るには、足や腰にかなりの力を入れなければなりません。
そのように設計されていたのです。
そうして、揺れを楽しみながら、知らない間に足腰を鍛えようというわけです。
それでは一体、どういうことからこのような椅子が発明されたのでしょうか?
ヨーロッパの冬は、過酷(かこく)です。
そのため、お年寄りはどうしても家にこもりがちで、運動不足になりがちです。
ロッキングチェアは、それを心配した老婆心(ろうばしん)からつくり出されたものなのです。
また、そんな思いやりの心が込められているからこそ、ロッキングチェアの揺れは、私たちを心地良くしてくれるのかも知れません。