5円玉と50円玉に穴が空いていますが、これは何故なのでしょうか?
一言で言えば、偽造防止、地金(じかね)の節約、目の不自由な人への配慮です。
この記事では、5円玉と50円玉のデザインがこのようになっている理由と、その裏に隠されたさらに大きな理由を詳しく説明します。
5円玉と50円玉に穴があいている3つの理由
1. 偽造防止
穴をあけること自体は難しくありませんが、大量の硬貨の中心に正確に穴を開けるには、専用の設備や人手が必要です。
これにより、偽造のコストが増加するため、偽造防止につながります。
2. 地金(じがね)の節約
穴が空いている分、より少ない材料で硬貨を製造できます。
つまり、コストダウンができるということです。
5円玉:穴の直径5mm → 約5.1%の材料節約
50円玉:穴の直径4mm → 約3.6%の材料節約
これは、年間数億枚単位で発行される硬貨にとって、特に戦後の物資不足の時代には大きな意義がありました。
3. 目の不自由な方への配慮
目が見えない方にとって、お財布から適切な硬貨を選び出す時はストレスになりがちです。
しかし、穴が空いていることで、触っただけで他の硬貨と簡単に判別ができます。
5円玉と50円玉の穴は、硬貨を判別する仕組みの一部
硬貨は、大小や周囲のギザギザのあるなし、そして穴があいているかどうかで、判別できる仕組みになっています。
例えば、1円玉と50円玉は、大きさが同じですが、穴とギザギザがあるので、目の不自由な方にも判別が可能です。
もちろん、普通に使う場合も、硬貨に特徴があるので、お店などでの受け渡しのときに間違いは起こりにくいでしょう。
また、500円硬貨は、100円硬貨とデザインが酷似(こくじ)していますが、少し大きくして「日本国 五百円」の文字を刻(きざ)むことで、判別しやすくなっています。
以上のことから分かるように、5円玉と50玉はの穴は、硬貨を判別する仕組みの一部で、ただムダに穴が空いているわけでなく、使用者のことを考えたうえで空けられているのです。
