写真は、こちらからお借りしました。
世界中で食べられている、日本生まれのステーキ料理があります。
それは一体なんでしょうか?
答えを先に書けば、それは「シャリアピンステーキ」です。
「シャリアピンステーキ」は、名前は洋風ながら日本独自の料理
薄くのばした牛肉をタマネギに浸けて焼いた、「シャリアピンステーキ」。
実はこのステーキ、名前はいかにも洋風ですが、日本独自のものなのです。
シャリアピンとは、20世紀最大のオペラ歌手・シャリアピンの名前に由来します。
このステーキは、帝国ホテル「ニューグリル」のシェフだった筒井福夫が、柔らかいステーキが食べたいという、シャリアピンの注文に応じて考案した料理なのです。
シャリアピンは、ヨーロッパやアメリカの各国で大成功をおさめたあと、1936年(昭和11年)に来日し、帝国ホテルに宿泊しました。
そして、彼はシェフに、
「何か変わったステーキをつくってくれ」
と頼みました。
そこでシェフは腕をふるい、タマネギをたっぷり使ったステーキをつくります。
シェフは、まずすりおろしたタマネギの中に肉を漬け込み、さらに、タマネギのみじん切りをバターで炒(いた)めてつくったソースを、肉の上にたっぷり乗せました。
これを一口食べたシャリアピンは、大満足。
その後彼は、公演でまわる世界各地のレストランやホテルで、タマネギを使ったあのステーキをつくってくれと頼むので、この料理は「シャリアピンステーキと名づけられ、世界中に広まっていったのです。