1年365日、厨房(ちゅうぼう)に立って調理をするプロの料理人。
プロならば、調理をする際、失敗することはないのではないかと思いますが、そこはやはり人間、ときにはうっかりミスをすることがあります。
たとえば、肉や魚を焦J(こ)がしたり、麺を茹(ゆ)ですぎたり、フライを揚げすぎたりと、一般の主婦と同じような失敗もまれにはあります。
中でも多いのが、味付け段階でのミス。
いくらプロとはいっても、お店の忙しい時間帯などは、手元が狂って、思いもよらない量の調味料をドバッ!と入れてしまうことがあるといいます。
普段家庭などで料理をする方ならお分かりだと思いますが、調味料の入れすぎは、致命的になりかねません。
いったん濃い味付けになってしまったものは、水で薄めても戻らないので、結局は鍋ごと捨ててしまったという方もいることでしょう。
しかしながら、そこはプロの料理人。
甘すぎ、辛すぎ、油っぽすぎなどの味付けの失敗は、復活させることができるといいます。
それでは、彼らはどんなワザを使っているのでしょうか。
その方法は、いたってシンプルです。
失敗したら、思い切って別の味に作りかえる、これだけです。
砂糖を入れすぎてしまったからといって、水で薄めたり、塩を足したりして甘味を消そうとするのは、かえって逆効果です。
それならいっそ、違う味付けの料理にしてしまえばよい、というのがプロの発想です。
たとえば、甘すぎてしまったときには、辛味を足してやります。
中華料理店であれば豆板醤(とうばんじゃん)、和食ならば唐辛子を入れてみます。
できあがりの味は、最初にイメージした料理とはまったく違ったものになりますが、失敗は帳消しになります。
また、油っぽくなりすぎた料理は、酢でしめます。
よく、あんかけ焼きそばやラーメンに酢をかけて食べる方がいますが、理屈はこれと同じです。
酢は、こってりした味を、サッパリ味に変えてくれます。
逆に、何かもうひと味足りないというとき、家庭の主婦は塩やしょう油を足してしまいがちです。
こんなときは、ごま油やオリーブオイル、オイスターソースなどで「風味づけ」をしてやり、味を調えます。
これで物足りなさが消え、味に深みが増すといいます。
ただし、塩の入れすぎだけは、たとえプロであってもごまかしが効きません。
失敗しないコツは、塩を入れるときは、指でつまんで入れることと、塩気のある材料との兼ね合いを考えて、最初は少し薄めの味つけにしておき、調理の最後の段階で調えることです。
これらのプロのワザを、是非参考にしてみてはいかがでしょうか?