テレビやDVDレコーダー、パソコンやプリンターなどを買ったが、どうもうまく作動しない……そんなとき、お世話になるのが「お客様サポートセンター」です。
特に、最新の機器というのは、機能が豊富なため、説明書を読んでも使い方が分からないことが多いものです。
ところで、このように、にっちもさっちもいかなくなって、サポートセンターに電話をするお客というのは、たいていイラついているものです。
「マニュアルが不親切だよ!」
「これ、壊れてるんじゃないの?」
といった、怒りをあらわにする人も多いといいます。
もちろん、メーカー側も、こうしたお客からのクレームを処理するための対応策を、しっかり用意しています。
何故なら、クレームへの対応を誤ると、新たなクレームを生んでしまうからです。
クレーム処理における鉄則は、「聞き役」に回ることです。
クレームを受けたら、
「はい」
という相槌(あいづち)を打ちながら、満足のいくまでお客にしゃべらせます。
というのは、不満や怒りといった感情は、何らかの対象に向かって吐(は)き出されると、自然に薄れてゆくものだからです。
逆に、お客の話をさえぎって、説明書の該当(がいとう)ページを指示したり、弁明(べんめい)したりするのはタブーです。
このような対応は、お客のプライドを傷つけ、ますます反感を買ってしまいます。
そのため、対応者は、クレームを受けてすぐは、お客と1対9くらいの割合で話を進めるようにします。
そして、相手の怒りのエネルギーが収まり、冷静になったところで、この割合を9対1に逆転させます。
これが、お客の怒りを上手にコントロールし、なおかつ円満な解決へと導く最善策なのです。