正月の新年会から始まって、花見、卒業、入学、歓迎会……、12月のクリスマス、忘年会まで、1年中、お酒を飲む機会があり、切れ目がありません。
そして、そのうちの何度かは、「もう、酒はやめた!」と誰しも思う、「二日酔い」が待ち受けているはずです。
この二日酔いを治す方法として昔から伝えられている、奥の手ともいうべき方法が「迎え酒」。
スーッとはしないまでも、とりあえず不快感は消えます。
迎え酒の歴史は意外と古く、江戸時代から行なわれていたようです。
当時の人々が読んだ川柳(せんりゅう)の中にも、以下のような迎え酒を詠(よ)んだ句があります。
「迎ひ酒あたまてんてんしては呑み」
「あはれなるつらでぐびりと迎へ酒」
さて、この「迎え酒」ですが、本当に「二日酔い」に効くのでしょうか?
「二日酔いに迎え酒」は、本当に効果がある?
「ウイッ、ヒック! もうダメ、二日酔いだニャン」「クサい! そばに来ニャいでよ!」
まず、酔っ払うというのは、”酒が体内に入ったときに生成されるアセトアルデヒドによって、脳の中枢神経が麻痺(まひ)すること”です。
そして、二日酔いというのは、”このアセトアルデヒドが、体内で分解しきれず、翌朝まで残っている状態”です。
つまり、迎え酒をすることによって、酔いが覚めたように感じるのは、「気持ち悪い」「頭が痛い」などと感じる神経を、単に麻痺(まひ)させているだけに過ぎません。
迎え酒は、いわばその場しのぎに過ぎず、そればかりか、そのときに飲んだ酒で、また、体内にアセトアルデヒドが作られるわけですから、これはもう自殺行為としかいいようがありません。
さらには、二日酔いになったから迎え酒という、このような習慣を続けていると、アル中になってしまう危険性もあるのです。
ここで話を終わりにしてしまってはちょっと無責任なので、お手軽な二日酔い対策を書いて締めたいと思います。
特効薬とはいえませんが、二日酔いをしたときには、実はくだものを食べるのが効果的なのです。
くだものの中には、タンニンやペクチンなどが含まれており、これらが血中のアルコール濃度を抑えてくれます。
また、果物に含まれる果糖やブドウ糖が、アセトアルデヒドの分解を促(うなが)すことが分かっています。
また、書く順序が逆になってしまいましたが、二日酔いになると、アルコールの利尿作用(りにょうさよう)により、脱水症状になることが多々あります。
そしてこれが、頭痛の原因になっていることもあります。
二日酔いのときは、まずは水分をこまめに取って、血中のアセトアルデヒドの濃度を下げ、一刻も早く体外に排出するようにしましょう。
さあ、これで今日も安心して酒が飲める?
参考にしたサイト
あなたも家族も絶対NG!二日酔いに「迎え酒」がすごく危険な理由
http://macaro-ni.jp/34861