スキヤキほど、そのつくり方をめぐって、意見が分かれる料理はないでしょう。
大きな”論点”は、割り下(わりした)を使うかどうかと、肉をどのタイミングで入れるかです。
そのあたりは、各自の自由研究に任せることとして、ここではどんな流儀(りゅうぎ)にも当てはまる3つのコツをご紹介します。
おいしいスキヤキをつくるために、知っておきたい3つの基本
まず、必ず守りたいのは、肉とシラタキは離して入れるということ。
シラタキは、そもそもコンニャクイモと石灰水を混ぜてゆでたもの。
この石灰分に含まれているカルシウムは、まさに肉の天敵。
肉を黒ずませ、かたくしてしまいます。
肉が右なら、シタタキは左に。
天敵同士はなるべく顔を合わせない方が良いのです。
第二は、スキヤキはできるだけ熱いほうがおいしいということ。
温度にして95度ぐらいが一番おいしいといわれます。
卵につけて少し温度が下がることを考えれば、事実上、沸騰(ふっとう)しているぐらいがちょうど良いです。
第三は、スキヤキの主役である肉を大事に扱うこと。
鍋の中が混(こ)んできたからといって、丸めたまま放り込むなどはもってのほか。
肉は、1枚1枚ていねいに、のびのびと焼くことです。