写真はこちらからお借りしました。
日本屈指の食品メーカー「カゴメ」。
このメーカーのマークは、ふたつの三角形を組み合わせた”籠目”の形をデザインしたものです。
このマークは、一体どのようにして決まったのでしょうか?
実は、その道のりは平坦(へいたん)ではありませんでした。
カゴメマークはどのようにして決まった?
カゴメマークは、現在では”KAGOME”のロゴマークの方がおなじみですが、このマークは以前はスーパーの食品売り場などでよくお目にかかっていました。
このメーカーの社名とマークが決まったのは大正時代のことです。
当時は、「愛知トマトソース」という社名でした。
そしてこのマークは、有力候補のデザインが次々と使えなくなったあげく、創業者がひねり出した苦肉の作品だったのです。
創業者で社長の蟹江一太郎(かにえ いちたろう、1875 – 1971)は、最初は会社のロゴに星のマークを考えていました。
しかし、このロゴに対して、なんと、陸軍からクレームがついたのです!
いわく、「食べ物屋風情(ふぜい)が我々と同じマークを使うなど無礼千万(ぶれいせんばん)」というものです。
実は、日本陸軍のマークも、やはり五角形の星型だったのです。
そこで蟹江は、五角形を六角形に変えたものをデザインしましたが、一度ケチがついた以上、陸軍は決して許してはくれません。
蟹江は、考えあぐねた末、三角形をふたつ重ねたデザインを示し、「これは星ではありません。籠目です!」」と、陸軍についに新しいマークを認めてもうことに成功。
あわせて、社名も「カゴメ」としたのです。
おわりに
「ニャー。カゴメって、浅草線にある駅の名前だよニャ」「それは、『馬込(まごめ)』」
今日は、カゴメマークはどのようにして決まったのかという話を書いてみました。
現在の視点で考えると、「愛知トマトソース」の社名に星のマークよりも、「カゴメ」というシンプルな社名と三角がふたつ重なったマークの方がシャレているように思えます。
が、当時の創業者は、とんだ不運と思ったことでしょうね。
不運といえば、その後この籠目マークは「ユダヤのマーク」と似ているという物言いがつきました。
そのため、同社は籠目マークの使用をやめ、1983(昭和58)年に現在の「KAGOME」のロゴマークになりました。
いやはや、「二度あることは三度ある」ではありませんが、馬込、じゃなかったカゴメ社にとって、確かに不運な歴史となってしまったようです。