日本では公園や街角に設置されている「小便小僧(しょうべんこぞう)」。
意外なところでは、山手線外回り・京浜東北線(けいひんとうほくせん)南行ホーム(3・4番線ホーム)の田町(たまち)寄りにも置かれています。
浜松駅の小便小僧
写真は、こちらからお借りしました。
この小便小僧のルーツは、ベルギーの首都ブリュッセルにある身長56センチの「ジュリアン坊や」にありました。
「小便小僧」のルーツは、ブリュッセルにある「ジュリアン坊や像」だった
話は、12世紀半ばまで遡(さかのぼ)ります。
当時、ベルギーのフランドル地方の王様が死去した際、生後数ヶ月の王子が、兵士たちを鼓舞(こぶ)するために、戦地に連れて行かれました。
そして、戦況が悪化し、兵士の士気が下がっていたそのとき、なんと、揺りかごにいたこの王子が、突然立ち上がって放尿したのです!
それを見た兵士たちは、その姿に鼓舞され、たちまち士気が回復。
見事、その戦いに勝利することができました。
これが、ジュリアン坊やのモデルになったのだといいます。
ブリュッセルのジュリアン坊や像
写真は、こちらからお借りしました。
他の説としては、ブリュッセルの市庁舎(しちょうしゃ)に爆弾が仕掛けられた際、ある坊やが導火線におしっこをかけ、その爆発を防いだという話も伝えられています。
いずれにしても、ジュリアン坊やは、放尿することで国を守った”英雄”だったのです。
なお、このジュリアン坊や像は、1619年にフラマン人の彫刻家(ちょうこくか)・ジェローム・デュケノワ(Jerôme Duquesnoy)によって建立されましたが、残念ながらオリジナルは1960年に紛失。
現在の銅像は、レプリカだということです。
ちなみに、ブリュッセルのこの小便小僧-ジュリアン坊やから大広場を挟(はさ)んだ反対側の路地には、「小便少女」の像もあります。
こちらは小便小僧に便乗して設置されたものですが、人気は今一のようです。