サバの押し寿司のことを、バッテラといいます。
この言葉は、一体どこから来ているのでしょうか?
バッテラの語源は、ポルトガル語で「小さな舟」
バッテラの語源は、ポルトガル語で「小さな舟」です。
現在では、小舟のことをバッテラという人はいませんが、明治時代には、永井荷風(ながい かふう)の書いた小説「夏の町」に、
「その時分にはボオトの事をバッテラという人も多かった」
とあるように、小さな舟のことをバッテラといっていたのです。
バッテラをよく見ると、確かに舟のような形をしていることが分かります。
初めはこの寿司は、その形から「バッテラ形の寿司」また「バッテラ寿司」と呼ばれていたのですが、そのうちに「寿司」が取れて、単にバッテラと呼ばれるようになったのです。
そしてやがて、小船という意味のバッテラという言葉は死語になり、サバの押し寿司のバッテラだけが残ったというわけです。