国技館の住所は「横綱」? それとも「横網」?

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両国国技館

両国国技館の所在地は、東京都墨田区(とうきょうとすみだく)にありますが、続く住所は横綱(よこづな)1丁目、横網(よこあみ)1丁目のどちらでしょうか?

国技館の住所は「横綱」? それとも「横網」?

両国国技館の所在地は、東京都墨田区横網(よこあみ)1丁目です。
大相撲ゆかりの地であることから、

「いや、これは「横綱」だろう?」

と、思われる方が多いのではないかと思いますが、「横網=よこあみ」で間違いありません。

両国国技館
出典:https://mapfan.com/spots/SCCQ4,J,8WE

「横網」は、横綱ができる前から存在する歴史ある地名

横綱の網の字は、隅田川(すみだがわ)の沿岸における漁業と関係があるといわれています。
『東京の地名由来辞典(東京堂書店)』では、

漁師が横に網を干していたからともいう

とあり、江戸時代初期に海苔干場(のりほしば)が広がっていたことから、漁師が海苔採り網を横に干していた風景からの呼び名であるとの説を挙げています。

いずれにしても、江戸時代の貞享(じょうきょう)年間(1684~1688)には、「南本所(ほんじょ)横網町」と称していた、歴史ある地名なのです。

そもそも、当時の力士(りきし)の最高位は今と違って横綱ではなく、大関(おおぜき)でした。
横綱という位が誕生したのは、1789年(寛政元年)のこと。
つまり、この地は横綱という力士の最高位が生まれる以前から、「横網町」という地名だったのです。

おわりに

「ニャー。横綱って、第三者がわきから口を出して文句をつけることだよニャ」「それは、『横槍』」

今日は、国技館の住所は「横綱」か、それとも「横網」かという話を書いてみましたが、いかがでしたか?

「横網」という地名は、横綱という位ができる前から存在していた、歴史ある地名だったのですね。(^^)

ちなみに、相撲取りの呼び名には、「力士」の他にもうひとつ「関取」というのがあります。
この2つは、どう違うのでしょうか?

この話については、以下の記事をお読みください。

「力士」と「関取」は、一見同じ相撲取りのことをいっているように思われます。しかしながら、両者には大きな違いがあります。まず、「力士」ですが、こちらは相撲取りの総称で、日本相撲協会に入門し、新弟子検査に合格すれば、力士になれます。一方、「関取」ですが、こちらは十両以上の力士のことを指します。相撲取りは、下から序の口(じょのくち)、序二段、三段目、幕下、十両、前頭(まえがしら)、小結(こむすび)、関脇(せきわけ、せきわき)、大関(おおぜき)、横綱(よこづな)の順に番付が上がっていきます。
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