バナナの皮を踏むと滑りやすいですが、なんと、これが科学的に証明されているということをご存じですか?
証明したのは、北里大学衛生学部の馬淵教授(まぶちきょうじゅ)らです。
「バナナの皮は滑りやすい」は、なんと、科学的に証明されていた!
「イグノーベル賞」という、ユーモアで人々を笑わせ、考えさせるような独創的(どくそうてき)な研究に贈られる賞があります。
北里大学衛生学部(きたざとだいがく えいせいがくぶ)の馬淵清資(まぶちきよし)教授たち4人が、2014年(平成26年)にこの賞において物理学賞を受賞していますが、その内容が「バナナの皮を踏むと何故滑りやすいのか」でした。
2014年のイグ・ノーベル賞の舞台でスピーチする馬渕清資教授
この研究で解明されたバナナの皮が滑りやすい理由を簡単に書けば、以下の通りです。
バナナの皮の内側を拡大して見てみると、小胞(しょうほう)と呼ばれるヌルヌルした液体が入った粒々が、びっしりと並んでいます。
そのため、バナナの皮を踏んで、小胞の中の粒々が潰(つぶ)れると、中のヌルヌルした液体が飛び出し、靴底と地面の間との摩擦力が低下してツルリと滑る、というわけです。
しかし、馬淵教授たちはそもそも、何故このような研究をしようと思ったのでしょうか?
馬淵教授は、当時人工関節(じんこうかんせつ)の研究をしていました。
そして、関節の摩擦が少ない仕組みと、バナナの皮の滑りやすい仕組みが同じなのではないかと考えました。
そこで教授は、自らバナナの皮を踏む実験を繰り返し、摩擦係数(まさつけいすう)を測定。
その結果、バナナの皮は通常の床の上より6倍も滑りやすいということが判明したのだといいます。
おわりに
「おっ! 御馳走(ごちそう)発見!」
世界文化遺産アユタヤでバナナを狙うリス
今日は、「バナナの皮は滑りやすい」という現象が、なんと、科学的に証明されているという話を書いてみましたが、いかがでしたか?
しかし、何とも変わった研究ですよね。
なお、この研究を行なったのは馬淵教授ら4人となっていますが、実際には、馬淵教授はこの実験をするにあたり、遊んでいると思われることを避けるため、家族にも内緒でほとんど1人で研究をしたということです。
そうそう。イグノーベル賞といえば、「哺乳類は皆、おしっこの時間が21秒だった」というのもありましたね。
しかし、世の中にはこのような冗談のような研究を、真面目に(?)やっている人たちがいるのですね。おお!(゚o゚)
しかも、このような研究に与えられる賞があるというのもまた驚きです。おお!(゚o゚)