字面(じづら)も発音も意味も似ていて、使い分けが難しい言葉に「おざなり」と「なおざり」があります。
この2つは、一体どのように違うのでしょうか?
また、どのように使い分けたら良いのでしょうか?
「おざなり」と「なおざり」の違いは? また、その使い分けは?
まず、おざなりは、「その場しのぎに適当に何かをする」という意味です。
おざなりは、「お座敷のなり」が詰まってできた言葉で、お座敷(宴席)での取り繕(つくろ)ったような言動になぞらえています。
そして、なおざりは、「すべきことをしないで、ほったらかしにする」ことをいいます。
こちらは、何もせずに遠ざけるという意味の「直去り」が語源といわれています。
つまり、おざなりは、真剣に取り組まないものの、とにかく何かを”する”場合に使われ、なおざりは必要なことを”しない”場合に使われるのです。
以下の例文で見てみましょう。
A:その上司は、部下の教育をおざなりにした。
B:その上司は、部下の教育をなおざりにした。
これらはそれぞれ、
A:は、その上司は「部下の教育をいいかげんにした(いいかげんではあったが、教育はした)」
B:は、その上司は「部下をほったらかしにして、ほとんど教育をしなかった」
といった意味になります。
おわりに
「ねえ。ママって、いつもおざなりでなおざりよね」「おだまり!」
今日は、「おざなり」と「なおざり」の違いと、その使い分けについて書いてみましたが、いかがでしたか?
要は、何かをすべきときに、いいかげんにやるか、何もしないかという違いですね。
やはり、何かをすべきときには、いいかげんに対応せずに、きちんと責任をもってするようにしたいものですね。