池田理代子(いけだ りよこ)原作の歴史フィクション漫画・「ベルサイユのばら(通称「ベルばら」)」のテレビアニメで、最終回はどうなるのでしょうか?
写真はこちらからお借りしました。
オスカル、民衆とともに戦うことを選ぶ
パリでは、王政(おうせい)に対する不満から、革命(かくめい)の機運(きうん)が高まっていました。近衛兵(このえへい)の隊長であるオスカルは、自分の行く道に迷います。
その中で、いつも側(そば)にいたアンドレへの愛に気づき、2人は契(ちぎ)りを交わし、永遠の愛を誓(ちか)い合います。
オスカルも、今や夫となったアンドレの意思(いし)こそ、自分の進むべき道であると決めます。
そして、隊員の総意(そうい)のもと、オスカル率(ひき)いる近衛B隊は、王室(おうしつ)を離れて民衆とともに戦うことを選びます。
アンドレ、続いてオスカルが銃弾に倒れる
だが、なんということでしょう。
その初戦(しょせん)、アンドレは敵の流れ弾(ながれだま)に当たり、命を落としてしまいます。
革命の戦いを前に、オスカルは失意(しつい)の底にいました。
彼は、夜明けまでパリをさまようと、ようやく戦意(せんい)を取り戻し、バスティーユに向かう民衆(みんしゅう)に合流します。
そして、元B中隊を指揮(しき)し、前線(ぜんせん)にてバスティーユ監獄(かんごく)への砲撃(ほうげき)を開始します。
オスカル率(ひき)いる元B中隊の、正確な砲撃(ほうげき)にうろたえたバスティーユの兵士たちは、砲撃の指揮をとるオスカルに、一斉(いっせい)に銃口(じゅうこう)を向けます。
が、それに気づかぬオスカルは、一瞬、空を飛ぶハトを見ます。
その刹那(せつな)でした。
「バババババババン!」
敵の一斉射撃がオスカルの体を貫(つらぬ)き……、オスカルは、大地に崩(くず)れ落ちてしまったのです。
オスカル、最期の命令を下す!
すぐに安全な場所に運ばれ、地面に横たえられたオスカルは、朦朧(もうろう)とする意識(いしき)の中で、隊員たちに命令を下します。
「味方の砲撃の音が聞こえないぞ。バスティーユを落とすのだ」
その言葉を聞いた元B中隊の面々は、刻々と迫るオスカルの死を感じながら、悲しみを振り払って前線に出ます。
そして、彼らの砲撃は民衆の道を切り開き、バスティーユへの総攻撃が開始されます。
かくして、ついに革命の端緒(たんしょ)が開かれたのです。
その音を聞きながら、オスカルは亡くなったアンドレの面影(おもかげ)を想います。
そして、その面影を追いかけるようにして、静かに息を引き取るのでした。
王妃アントワネット、オスカルに白いバラを残す
その戦いから5年後。
隊員だったアランと、革命の先鋒(せんぽう)を担(にな)ったベルナールによって、その後の歴史とアントワネットたちの運命が語られます。
その内容は、歴史どおりの道筋を辿(たど)りますが、王妃(おうひ)アントワネットは死刑の間際に、オスカルを想って造花(ぞうか)のバラを残したといいます。
そしてそれは、汚(けが)れなき白いバラでした。
「ベルサイユのばら」のテレビ放送
1979年10月10日 – 1980年9月3日(全40回)