楽譜を見ると、「アレグロ(快適に)」や「フォルテ(強く)」などと、その曲をどのように歌ったらよいのか、また演奏したらよいのかということを指示する記号が書き込まれています。
そして、これらの記号は、すべて「イタリア語」です。
指示語だけではありません。
オペラもソナタも、コンツェルトもマエストロも、すべてイタリア語で書かれているのです。
さらには、ドイツ語圏のモーツァルトやバッハ、ベートーベンも、音楽で使うのはイタリア語。
イギリスやフランス語の作曲家も同様です。
これは一体、何故なのでしょうか?
これは、クラシック音楽の基礎がイタリアにあり、17~19世紀はじめの音楽家が、イタリアに憧(あこが)れていたためだといいます。
1度、イタリア語の用語・表記が定着してしまうと、各国の言葉に翻訳するのには手間がかかります。
そのため、音楽家にとって、イタリア語が共通語になっているのです。