「今度の交渉、うまくいくかどうか、ちょっと不安だなあ」
そんなときは、交渉を夕方にしてみるとよいでしょう。
何故ならば、交渉ごとは、午後3時以降のほうがまとまりやすいからです。
アメリカで、以下のような実験が行なわれたことがあります。
男女5人ずつを1時間、明るい部屋と暗い部屋に入れました。
すると、明るい部屋では、10人がいっしょになって会話が飛び交い、話題が発展していきました。
ところが、暗い部屋では、はじめこそ10人で会話していましたが、会話はどうにも盛り上がりません。
やがて、男女は移動しはじめ、気に入った人同士が集まって会話をするようになったのです。
これは、男女の恋愛をイメージした実験ですが、この結果を詳細に分析すれば、ビジネスの交渉にも応用ができるはずです。
明るい部屋では、周囲がはっきりと見え、相手のいろいろなところが見えてきます。
そのため、恥ずかしさやためらいなども出ます。
しかしながら、暗い部屋では、周(まわ)りがぼんやりとしか見えないため、話している相手とだけコミュニケーションをとろうとするようになります。
つまり、明るい昼間に交渉すると、あなたの話の欠点などがよくみえ、会話ははずむものの、お互いの意見をぶつけるだけで終わりやすいのです。
それに比べて、暗い夕方に交渉すると、お互いにコミュニケーションをとろうとする意識が生まれ、交渉もまとまりやすくなるのです。
苦手な人と交渉する場合でも、午後3時以降のほうが、相手のふところに飛び込みやすくなります。
その場合、相手のオフィスなど、相手のホームグランドよりも、外の喫茶店などに誘い出したほうが、より相手とコミュニケーションをとりやすくなります。