カレーは、明治時代に、当時インド亜大陸のほとんどを統治(とうち)していたイギリスから、イギリス料理として日本に伝わりました。
そして、これを元に改良されてできた日本のカレーライスは、今や「国民食」と呼ばれています。
さて、このカレーですが、作りたてよりも、一晩寝かせた方がおいしくなるとよくいわれます。
これは、何故なのでしょうか?
その理由は、3つあります。
ひとつ目は、具材(ぐざい)に含まれる糖質やたんぱく質、アミノ酸などの成分が絡(から)み合うことで、独特のコクが生まれるためです。
ふたつ目は、余熱でじっくりと加熱されることで、スパイスのトゲトゲしさが減り、全体的な味のバランスが整い、熟成された深い味わいになるためです。
みっつ目は、ジャガイモの澱粉(でんぷん)が溶け出すことで、カレーにとろみがつき、食べたときに舌の上に残りやすくなることも挙げられます。
その結果、カレーならではの味が、より強く感じられるようになるのです。