日本でも女性問題で失脚(しっきゃく)した首相がいましたが、これと同じような事件が、サルの世界でも起こっていました。
女性問題で失脚したボスザルがいた
平成元年のこと、大分県大分市(おおいたけん おおいたし)にある高崎動物園で、あるボスザルがメスザルに入れ込み、肝心の政務(せいむ)をおろそかにしたあげく、ボスの座を追われてしまったのです。
ここでは、合計1972匹のサルが、A、B、C群に分かれ、それぞれのボスの統率(とうそつ)のもとに暮らしています。
今回失脚したのは、B群のボスザルのベンツで、人間でいえば30代の男ざかりです。
ベンツは、C群のメスザルと恋に落ちたのはいいものの、それ以来、C群に入りびたりになってしまいました。
これでは、
「仕事もせずに、よその女と遊んでばかりいるとは何たることか!」
と、B群の若いサルたちから反感を買うのも、無理からぬことです。
そして、久しぶりに我が家へ帰ったベンツは、とうとう部下から牙(きば)をむかれ、追放されてしまいました。
問題のメスザルは、C群のボスの母君(ははぎみ)で、人間ならば、なんと80歳のご高齢!
年に似合わず毛並みのよい美女とのことですが、なかなか計算高いようで、失脚したベンツは、あっさり振られてしまったようです。
サルの社会も、なかなかキビシイものがありますね。