世界地図を広げてみると、実にたくさんの国々が、複雑な境界線を接しながら存在していることが分かります。
さて、それではこれらの国々を、色鉛筆できれいに色分けしてやるとしたら、最低何色必要でしょうか?
世界地図を色分けするには、4色あれば十分
実はこの問題、数学の難問と言われた「4色問題(4色定理)」というものなのです。
どんなに複雑な地図でも、4色あれば塗り分けられるということを1880年に証明してみせたのが、イギリスのケンペ(Kempe, Alfred Bray, 1849 – 1922)でした。
が、その10年後、その証明は間違っていると指摘され、それから実に長い間、多くの数学者がこの問題に取り組むこととなりました。
この問題に決着がついたのは、1976年というからごく最近のことです。
イリノイ大学のケネス・アッペル (Kenneth Appel, 1932-2013) とヴォルフガング・ハーケン (Wolfgang Haken, 1928-)という学者が、大型コンピューターの力を借りて、地図の色分けには4色あれば十分ということを正しく証明しました。
しかし、「塗り絵」の問題に、世界中の学者がこんなに長い間頭を悩ませていたなんて、ちょっと愉快ではありませんか。