8月に入ると、全国各地で盛大に夏祭りが行なわれます。
なかでも、東北三大祭といわれる青森のねぶた、秋田の竿灯(かんとう)、仙台の七夕(たなばた)は、毎年テレビや新聞などで報道されるほど華やかなものです。
まず先陣を切るのが、青森のねぶた。
8月2日~7日に青森市、1から7日に弘前市(ひろさきし)で催(もよお)され、弘前ではねぶたと呼びます。
武者絵(むしゃえ、=武者の姿や合戦のありさまを描いた絵)などが描かれた超大型の切り子灯篭(きりことうろう)を担ぎ、街中を練り歩きます。
次が、8月5~7日に秋田市で催される竿灯。
高さ8メートルもの竹竿(たけざお)に、数本の横竿を張り、46個、または48個の提灯(ちょうちん)をつけたものを、威勢(いせい)のいい若者たちがひとりずつ担(かつ)ぎます。
最後は、8月6日~8日の仙台市の七夕。
繁華街(はんかがい)の商店や会社が、大竹竿にさまざまな趣向(しゅこう)の飾りつけをし、街を賑(にぎ)やかに彩(いろど)ります。
さて、これら三大祭りのルーツはすべて同じで、七夕の行事からきているのです。
仙台の七夕はもちろんですが、ねぶたと竿灯は、人の動きの妨げとなる眠気を、川や海に流してしまおうという「眠流し(ねぶりながし)」がもとといわれています。
本来、七夕の行事は、畑作(はたさく)の収穫と秋の稲作(いなさく)が豊作でありますようにと祈って、祖先の霊を祀(まつ)る盆の準備としてのもので、旧暦の7月7日にのっとって、現在の8月上旬に行なわれるようになりました。