映画やテレビに登場するクルマですが、高速で走っているシーンを良く見ると、タイヤが逆回転しているように見えることが多いです。
もちろん、そのクルマはバックしているわけではなく、ちゃんと前進しています。
このことに気づき、おかしい、と思っている方も多いのではないでしょうか?
この現象の種明かしは、時計の針に置きかえると分かりやすいです。
映画は、ご存知の通り1秒間に24コマの絵を撮影し、これらを連続して映し出すことで、自然に動いているように見せています。
さて今、時計の針を撮影しているとします。
1コマ目には、時計の針が0時を指している絵が映っています。
2コマ目には、30度進んで1時、3コマ目には2時、…という具合に映っていれば、連続して映写したときには、針はふつうに右回りに進んでいるように見えます。
ところが、時計の針の回転がはやく、1コマ目には0時、2コマ目にはいっきょに330度進んで11時、3コマ目には、またいっきょに330度進んで10時、…というように映っていたらどうなるでしょう。
これらの絵を連続して映写したら、時計の針は通常とは逆方向に動いているように見えます。
これが、クルマのタイヤが逆回転して見える理由です。
つまり、映画のコマ割りと、タイヤの回転がズレると、まるでバックしているかのように見えるというわけです。